知っていますか?口腔がん(舌癌)のこと

口腔がん・舌癌の検診(診査)を受ける患者さん

口腔がんとは、その名の通り舌、口底(舌の下側)、歯ぐきなどの口腔内に発症するがんです。
日本では年間で約7,000人が罹患しており、死亡者数が3,000人を超えています。アメリカでは半年に一度の口腔がん検診が実質義務化されていますが、日本ではあまり知られていないため進行するまで放置されて亡くなられる方が急増しています。

口腔がん・舌癌の症状

初期の口腔がんには、自覚症状がほとんどありません。
痛みや違和感、食べ物や飲み物がしみる、口内炎がいつまでも治らないといった症状が出ている場合、すでにがんが進行してしまっている可能性が高いです。自分では見えにくい部分にも口腔がんが発症するため、早期発見には定期的な視診や触診が重要になります。下記のような症状が現れている場合、早めの診察がおすすめです。

  • 舌や粘膜の色がいつもと違う
  • しこりがある
  • 口腔内のしびれ
  • 違和感、食べにくい、飲み込みにくい
  • 舌が動かしにくい
  • 口腔内にザラザラした部分がある
  • 口内炎がいつまでも治らない
Pickup 01 口腔がんの部位と割合

口腔がんの部位と割合を示す円グラフ

お口の中にできるがんの総称が「口腔がん」です。口腔がんはできる部位によって名称が異なり、舌にできる「舌癌(ぜつがん)」、歯ぐきにできる「歯肉がん(しにくがん)」、舌と歯ぐきの間にできる「口腔底がん(こうくうていがん)」、頬の内側の粘膜にできる「頬粘膜がん(きょうねんまくがん)」、上あごにできる「口蓋がん(こうがいがん)」、唇にできる「口唇がん(こうしんがん)」などがあります。
一番罹患率が高いのが「舌癌」で、次が「歯肉がん」です。

Pickup 02 早期発見で生存率は格段に上がります

口腔がん検診を担当する歯科医師と握手する患者さん

日本は先進国の中で唯一、口腔がんの死亡率が増加している国です。口腔がんは他のがんと異なり患部を直接見ることができるため、本来なら早期発見・早期治療がしやすい種類のがんです。しかし、日本では認知度があまり高くないため、発見が遅れてしまうケースも少なくありません。また、口腔がんを早期に発見して治療するためのシステム構築がされておらず、口腔がんについて経験豊富な歯科医が少ないという現状があります。
例えば、アメリカなどの先進国では早期発見の仕組みができあがっているため、罹患率が日本の3倍にもかかわらず、死亡率は半分以下です。日本でも口腔がんに関する早期発見の体制が確立すれば、多くの方の命を救うことができます。

あなたは大丈夫?口腔がん・舌癌セルフチェック

  • タバコを吸い、お酒が好き
  • 赤いただれ、あるいは白い出来物がある
  • 口内炎が治りにくい
  • 原因不明の歯のぐらつきや口臭がある
  • 差し歯、入れ歯や虫歯でとがった部分がある
  • 首のリンパが腫れている

ひとつでも心当たりのある方は、早めの歯科受診(口腔がん検診)をお勧めします。

-超早期がんも検出「プロテオ検査」を導入- 当院の口腔がん・舌癌検診

がん検診に関心の高い米国でも、口腔がん検診は「視診・触診」が主流でした。「視診・触診」だけの検診だと口腔がんの発見率は68%と低いデータが出ています。

当院の口腔がん・舌癌検診は、他院ではまだ導入が進んでいない「プロテオ検査」を導入してます。
プロテオ検査とは、ステージ0から「がん」を検出できる画期的な新技術で、多くのメディアで特集され、世界からの注目を集める「超早期がんリスクスクリーニング検査」です。
当院ではプロテオ検査を含め、7段階の検査を実施し、がんの早期発見に努めています。

口腔がん検診(検査)の流れ

問診(即日)

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歯を含めた口全体の一般検査(即日)

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視診・触診(即日)

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口腔内蛍光観察装置(即日)

口腔がん・舌癌を発見する口腔内蛍光観察装置

「口腔内蛍光観察装置」は特殊な光を口腔内に照射することで、病変組織を発見することができる装置です。口腔内にがんが発症している場合にその周辺組織が暗く見えるため、目視では見逃してしまいがちな「がんの疑いがある部分」を早期に発見することができます。(この検査は保険適用外です)

?腔がんの疑いあり

細胞診検査(1~2週間)

口腔がん・舌癌が疑わしい場合に行う細胞診検査の様子

疑わしい場所がある場合は、必要に応じて細胞診検査を行います。 口内炎などをめんぼうでこすって細胞編を採取します。採取した細胞でプレパラートを作って専門機関で検査を行います。

さらに疑いあり

病理組織検査(1~2週間)

口腔がん・舌癌の検診・検査の為に病理組織検査を行う医師

細胞診検査でも疑いがある場合は、病理組織検査を行います。
口腔内の組織を2~3mm切り取り専門機関で検査を行います。

?腔がんの有無を最終確認

超早期がんリスク検査「プロテオ」(2週間)

プロテオはたった1滴の血液採取で、ステージ0の段階のがんを検出することができる「超早期がんリスク検査」です。
血中にごく微量に存在する物質から、がんの有無や進行度合いなどを判定することができます。この検査により、口腔内だけでなく全身のがんを発見することが可能です。
詳細は担当医にお尋ねください。

  • 超早期がんリスク検査「プロテオ」(2週間)超早期がんリスク検査「プロテオ」(2週間)
Pickup 03 約1ミリの超早期がんも検出「プロテオ」

プロテオ検査は、ほんのわずかな血液から血中ヌクレオソームを測ることで、超早期がんの兆候を検出するリスク判定検査です。
これまでがん診断の限界は約5ミリ~1センチでした。1センチの腫瘍には10億個もの癌細胞があり、この段階で見つかっても「既に手遅れ」というケースもありました。
プロテオは理論上約1ミリの超早期がんも検出が可能です。
さらにプロテオ検査では、測定数値が明確な差をもって現れるため、判定が容易で、誤判定の可能性が限りなく低いという特徴があります。

担当医紹介

口腔がん・舌癌の治療に携わってきた院長藤川

院長 藤川 考

大学病院で口腔がんに携わってきました

長らく大学病院で口腔がんの治療に携わってきましたが、歯科医院より漫然と口内炎の軟膏だけ処方され、口腔がんが進行してしまった不幸な患者様をたくさんみてきました。
当院でも開院以来何名ものがん患者を発見しております。
口腔がん検診は日本口腔外科学会認定の専門医、認定医の在籍する 当院に是非お任せください。

口腔がんのよくある質問

費用はどのくらいかかりますか?

日本の健康保険制度上、健診は健康保険が使えませんが、実際に口内炎などのただれがあれば健康保険で診察可能です。
可能な限り、健康保険で行いますのでご安心ください。
プロテオ検査は自費になります。60000円(税別)です。

がんが見つかった場合、治療はどこでおこなうのですか?

放射線治療、化学療法、全身麻酔の手術など、クリニックではできませんので 、提携大学病院やご希望の病院に紹介状をお書きします。先方と連絡を取りながら治療期間中もフォローいたします。

検査は痛いですか?

心配いりません。蛍光観察は非接触です。病理検査は局所麻酔で行います。

どのくらいの頻度で検査を受ければいいですか?

アメリカでは半年に1度の口腔検査が義務付けられています。
早期発見のため、半年に1度の検査をお勧めします。

ご予約について

口腔がん検診は予約制となっております。
お電話でご予約をお取りください。

TEL 044-982-3048

受付時間 9:00-19:00 日曜・祝日休診